Fakerの紹介
Lee ‘Faker’ Sang-Hyeokは、おそらくLeague of Legends(LoL)の中だけではなく、eスポーツ全般において、我々の世代で最も偉大なeスポーツプレイヤーの1人でしょう。弱冠21歳にもかかわらず、Fakerはすでに、World Championshipで3度優勝し、4回目の出場では準優勝という成績を収めています。
World Championshipは過去7回しか開催されておらず、また、シーズン3になるまでFakerはLeague of Legendsのプレイを始めてさえいなかったことを考えると、この3回の優勝は実に印象的です。
FakerのLoL歴
退屈しのぎにオンラインでプレイするゲームを探していたLeeは、2011年末、偶然LoLを見つけました。当初は軽くプレイするだけでしたが、すぐに競う相手が足りないことにもどかしさを感じ、ランク戦のプレイを始めました。
当時はGoJeonPaというニックネームでしたが、その見事な成績のせいで悪評が立ちました。彼の正体について、他のプレイヤーの憶測を呼ぶことになったのです。プロのプレイヤーがスマーフ(より低スキルのプレイヤーと戦うために正体を隠して別アカウントでプレイしている)しているのか、そうでなければ外国人プレイヤーだろうと推測する人が多くいました。そしてついに、GoJoenPaが17歳の学生だということが明らかになった時、多くの人が衝撃を受けました。
2012年、韓国の団体SK Telecom T1が、Leeを中心とするプロチームの結成について彼に連絡を取りました。Leeはプロプレイヤーになることを決意し、チームはOGN Champions Spring 2013でデビューを果たしました。チームは準決勝で敗れ、MVP Ozoneが最終的に3-1で勝利を収めたものの、あまり知られていないチームとしては十分な成績でした。
2013年10月、FakerはSK Telecomとともに、自分たちの可能性を示すべく、World Championshipに初参戦しました。彼のチームは終始うまく戦い、準決勝で韓国のライバルチームであるNaJin Black Swordを辛うじて打ち負かすと、World Championship決勝では史上初となる完全勝利を記録しました。
Fakerは、LoLのプレイを開始してから2年経たないうちにWorld Championshipで初優勝を果たし、世界一の座を揺るぎないものにしました。2013年後半のHOT6iX Champions Summerで、FakerはLoLの歴史上最も象徴的なプレイの1つを行いました。KT Rolster Bulletsのmidレーナー、Ryu Sang-Wookを完全に破ったのです。
主な実績
League of Legends最大級のイベントとして、World Championshipと、韓国ではLCK splitがあります。下記に挙げるのは、Fakerのこれまでのキャリアにおける最高実績です。
 
| 最終順位 | トーナメント | 獲得賞金($) | 
| 1 | Mid Season Invitational 2017 | 676,000 | 
| 1 | LCK Spring 2017 | 89,571 | 
| 1 | 2016 World Championship | 2,028,000 | 
| 1 | Mid Season Invitational 2016 | 250,000 | 
| 1 | LCK Spring 2016 | 87,800 | 
| 1 | 2015 World Championship | 1,000,000 | 
| 1 | LCK Spring 2015 | 92,649 | 
| 1 | Season 3 World Championship | 1,0000,000 | 
| 2 | 2017 World Championship | 620,539 | 
| 2 | LCK Summer 2017 | 53,152  | 
 
 
 
 
チームとして賞を勝ち取るのみならず、彼は2017 World Championship Most Valuable Playerなど、数々の個人賞も獲得しています。
Fakerの統計データを分析
Leeには驚くべき統計データもあります。彼はプロの試合において計48種の異なるチャンピオンをプレイしてきたのですが、そんなプレイをするmidレーナーは、ほとんど聞いたことがありません。
Fakerのキャリア通算成績
 
| 勝ち | 348 | 
| 負け | 153 | 
| 勝率 % | 69.6 | 
| キル | 2175 | 
| デス | 1101 | 
| アシスト | 2729 | 
| キルデスアシスト(KDA) | 4.45 | 
| 平均CS数 | 323.42 | 
| キル関与率 % | 70.6 | 
 
 
 
 
Fakerの2017年の成績
 
| 勝ち | 102 | 
| 負け | 48 | 
| 勝率 % | 68 | 
| キル | 533 | 
| デス | 320 | 
| アシスト | 705 | 
| キルデスアシスト(KDA) | 3.87 | 
| 平均CS数 | 332.92 | 
| キル関与率 % | 65.6  | 
 
 
 
 
すべての統計データは、lol.gamepedia.comを出典としています。
スキル/弱点
Fakerの大きな強みは、機械的スキル(ラストヒットを取る、敵を欺く動きをする、全体的にゲームのプレイ方法を熟知しているかなど、ゲームの機械的側面をどれほどうまく扱えるか)とチャンピオンプールです。
ほとんどのプレイヤーは数体のチャンピオンを高いレベルまで完ぺきに仕上げるものですが、ここが彼と他のプレイヤーとの違いになります。彼は幅広く揃えたチャンピオンをほとんどのプレイヤーよりも高いレベルでプレイできます。そのため、彼に対してはピック&バンフェーズでのバンがとてつもなく厳しいものになりますし、彼がどのチャンピオンを持ってくるかわからないので、これに備えるのはとてつもなく難しいことになります。
Fakerは、LoLのプレイを開始してから2年経たないうちにWorld Championshipで初優勝を果たし、世界一の座を揺るぎないものにしました。
その機械的スキルを使って、Fakerは他には誰もできないプレイをやってのけることができます。戦闘に勝てそうもない状況に陥った時に、彼のスキルでその状況を勝利へと変えてしまう。そういうことを、Fakerは数多くの場面で行ってきました。個人の一瞬の才気でゲームをひっくり返すこと。これが、彼が最も偉大なプレイヤーである理由です。
Fakerにはいくつか弱点がありますが、これはチームの成績不振のせいで最近目立ってきました。彼がプレイすると決めるチャンピオンが、相手チームに対して最適なものではありません。自分のチームがそれほどうまくプレイできない時にはチーム構成に応じてヒーローをピックすることになりますが、そのせいで、彼にとっては以前のように試合を運ぶことが難しくなっています。
不適切なタイミングで少し強引に出過ぎる場合があり、チームメートがトレードに最適な位置におそらくいない場合、マップ中をロームします。しかし総体的には、これらの弱点は他のプロプレイヤーに比べると極めて小さく、彼も生身の人間なのだと証明するにすぎません。
月間最優秀プレイヤーに選ばれた理由
Leeが月間最優秀プレイヤーに選ばれたのには、いくつか理由があります。まず、eSports player of the yearの受賞は他の受賞と並んで素晴らしい実績であり、例年同様、レベルの高い成績への表彰を受けるに値するという理由です。
2つ目は、今シーズンのLCKにおける彼のチームの成績が、これまでに全く経験したことのないものだという理由です。SK Telecomは過去にも新しいパッチがリリースされた直後に悪い成績を出したことはありますが、これほどの不振はありません。彼がどのようにしてこの逆境から返り咲き、チームを取り巻く状況を変えていくのかを見るのは面白いでしょう。– しかも、ここ数週間における成績の改善で、すでにその兆候が見えてきているのです。
当世のeスポーツのゲームを輝かせる偉大なプレイヤーの1人に光を当てることは、大いなる才能に恵まれた人物に対する賛辞としてふさわしいものです。来月は別のプレイヤーのプロフィールを紹介したいと思います。ご提案がある場合は、ぜひお知らせください。